新富士バーナー編 :

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新富士バーナー編

新富士バーナー 会社訪問レポート

今回のメーカー訪問は、炎の総合メーカー「新富士バーナー」へ。

愛知県の豊橋から二つ目の駅にある愛知御津駅(あいちみと)から車で10分くらいのところにある三河湾ほとり工業用埋め立て地でした。

SOTOが今では世界的なアウトドアブランドに成長した「新富士バーナー」。
その成長の秘密を探ってみたいと思います。

今年の新製品「MUKAストーブ」は、発売開始前から各種のアウトドア雑誌等で取り上げられ、どこの店舗でも売り切れが続出する程の人気です。

多くのアウトドアファンが心待ちするMUKAストーブの製造現場を山本社長が惜しみなく案内してくれました。







創業当時から変わらないトーチバーナー


「ポケトーチ」と「マイクロレギュレーターストーブ」は、米国のアウトドア市場で最も権威ある賞「BACKPACKER誌による EDITORS’ CHOICE2010 」を受賞した。


新富士バーナーの歩み

1978年に工業用バーナーの製造メーカーとして創業。
当時の一般的なトーチランプはメインバーナーの予熱に2~3分かかっていたところ、創業当初に発売した「トーチランプ」は、20秒から30秒で予熱を完了できるという性能を既にもっていました。

この30年以上前に開発されたトーチバーナーは、驚くべきことに今でも定番商品としてラインナップされています。

創業時より、「他にはない新しいものを出し続ける」ということをコンセプトに開発を続けてきたそうで、それを実行して来た証でもある数々の表彰状が、事務所の壁一面に飾られていました。

工業用バーナーから始まり、農業用バーナーへと、「あったらいいな」を形にする開発力を武器に着実にシェアを伸ばしたそうです。

1990年にはアウトドア製品第1号、100円ライターを1300度の小型バーナーに変える「ポケトーチ」の発売しました。

若手の柔軟な発想と、ベテラン社員が培ってきた知識や技術が一つになり新しい製品を創り上げた好例なのだそうです。

そしてこのポケトーチもまた、現在も広く流通している人気商品です。

バーナーという専門分野で、常に新しい挑戦を続けてきた「独自の開発力」が、今世界から注目され始めている理由のように思います。

さっそく工場の中へ

写真左側の建物の1階が部品工場、2階が組み立て検査工場になっています。

1階ではガストーチのバルブ部分など真鍮の鍛造部品の旋盤加工が行われていました。

山本社長によると、1万分の1レベルで発生する不良を、限りなく0に近くするために、安全にかかわる部品は全て自社で内製加工しているそうです。

またコストの面でも海外製に引けを取らないよう、部品加工の機械は24時間で稼働し、工場が停止するのは年末の3日間のみとのこと。

製造したバルブは、まず部品の状態で水没させ、
気密漏れの検査を”全数”、つまりすべてを検査しているそうです。

コンプレッサーで圧力をかけて気泡がでないかをチェックする際に、
通常4kg/cm2のかかる部品に安全率を考え8.13kg/cm2の圧力をかけてテストし安全性を確認しているとのことでした。



生産ラインのこだわりを力説する山本社長


こちらはMUKAストーブのジェネレーターの溶接作業。通常このような溶接には酸素溶接を行うが、品質にバラつきが出やすいため高周波溶接機を導入。アウトドアでの過酷な使用環境にも耐えうるよう、精度の高い溶接を行っている。



水没検査をする場所

組み立てライン

発火テスト


また組み立てたあとにも、実際にガスを付け発火テストをまたすべての完成品に対して行うという徹底ぶりでした。

2重、3重となっているすべての部品と完成品の検査ですが
検査は、全て人の手と目で行っています。

「1万分の1レベルで発生する不良を、限りなく0に近くするため」
山本社長は繰り返し、この言葉を強調されていたことが
強く印象に残りました。

一つの不良品がもしも事故を起こしたとき、
どれだけの被害がでるのか、しっかりと想定されているからこその
深い考えがあると思われました。

「いくら全数検査しても検査の精度、再現性は100%ではありません。
だから部品の状態で、どれだけ精度が高いものを作れるかということにこだわっているのです。」
と山本社長。

アウトドア製品としては過剰スペックとも言える製品精度、
そして他にはない新しい製品を作り上げる開発力。

これこそが今世界から注目を集めている新富士バーナーの魅力なのだと思います。



MUKAストーブ

無駄のないデザイン、ゴトクが収納された際の収まり具合がとても良い。
私が始めてMUKAストーブを手に取った時の印象です。

細部の作りがとてもよく出来ているため、手のひらに載せて眺めていると、どこへ連れだして湯を沸かそうか、遊び心がくすぐられます。

MUKAストーブの商品情報はこちらをご確認ください⇒

MUKAストーブの開発の原点を伺うと、初めからレギュラーガソリンで使えるストーブを目指していた訳ではないとの言葉は大変驚きでした。

あくまで完全燃焼を追い求めた結果、レギュラーガソリンでも使えるようになったのだそうです。

ガソリンストーブは通常、液体を気化させるために予めガソリンの通り道であるジェネレーター部分を温める「予熱」という作業を行います。

しかし、MUKAストーブは名前の通りジェネレーターに入る前の段階で
「霧化」することで予熱作業を不要にしたのです!

このMUKAストーブは登山だけでなく、バイクのツーリングキャンプなど、さまざまなフィールドでその性能がいかんなく発揮することができそうです。

溶接、組み立て、検査など、実はすべて手づくりの作業なので一日作ることができる生産台数も限られています。

それだけの手間がかかったストーブだけに、大切に使いたいと改めて思いました。






MUKAストーブ専用の防塵室

全て手作業の検査

電子顕微鏡にて、ノズルにホコリがついていないか検査中






小黒常務、宮地さんと


女性スタッフの皆さま

卓越した技術も、優れたデザインなくして
近年のファッション性に富んだアウトドアユーザーの心をつかむことは難しい。

アウトドア製品の開発を始めたころは
プロダクトデザイナーと設計者とのぶつかり合いもあったそうです。

バーナーの開発を専門にしているが故に、アウトドアユーザーのニーズを如何にうまく汲み取り製品化できるかが、今後の課題なのだそうです。

炎の専門メーカーが生み出した、職人気質なシングルバーナー「MUKAストーブ」。

今後定番として息の長い製品となっていくことが楽しみになりました。

また、日本だけでなく、世界でも高評価のMUKAストーブを日本製品として送り出していることに一日本人としてうれしく思います。

私もキャンプにトレッキングにとMUKAストーブを使い倒してレポートを続けていきたいと思います!

今後のますます楽しみな新富士バーナーからしばらく目が離せません。





~ 新富士バーナーの当店売れ筋商品 ~


SOTO マイクロレギュレーターストーブ ST-310 SOTO マイクロレギュレーターストーブ SOD-300 SOTO MUKAストーブ SOD-371
SOTO スライドガストーチ ST-480  SOTO 虫の寄りにくいランタン ST-233 ポケトーチ PT-14FFSK